起立性調節障害-4
- 年齢
- 16歳
- 性別
- 男性
- 身長
- 166cm
- 体重
- 51.7Kg
- 治療方法
- 硬膜外気体注入療法
- 主訴
- 起立性頭痛で学校に行けない、HUTテストは行っていないが、OD(起立性調節障害)と診断して良いと考えています。
- その他の症状として
- 肩こり 頸部痛 背中の痛み 腰痛 フラツキ 倦怠感 集中力低下 食欲不振 頻尿
- 症状を悪化させる要因
- 起き上がる(起立性頭痛)、朝起きたときひどい
- 症状を軽減させる要因
- 特にない
- 現病歴
- 小学校の時から頭痛はあったが、学校を休むことはなかった。中学2年生のある朝(来院の2年11ヶ月前)、起きたらとくに激しい頭痛がして学校を休んだ。吐き気はなかった。総合病院で頭部CTを撮ったが異常は無かった。治らないので校医(心療内科)に相談したが、メンタルな問題と言われて薬を処方され効果はなかった。学校をよく休むようになった。頭痛外来を受診して薬を処方されたが効果はなかった。学校にはまったく行けなくなり、ネットで調べたら、「脳脊髄液減少症」に症状が似ているので当院を受診した。
- 治療前の状態
- 意識は清明で、四肢麻痺などの明らかな異常ななかった。頭部MRIは異常なかった。
- 治療経過
- 症状が低髄液圧症に似ているので(起きると直ぐに頭痛がする)腰椎穿刺を行った。髄液圧は14.8 cm水柱で正常。髄液を20mL排除したが改善も悪化もしなかった。 腰椎穿刺の2日後と7日後にEGI(硬膜外気体注入療法)を行った。退院後は学校に戻れたが、5ヶ月くらいして台風が来た頃から悪化し、1回目の治療から1年後に2回目のEGIを行った。その後は頭痛で学校を休むこともなくなり、大学にも進学した。
- 治療前後の比較
- 図-21に治療前、治療後4ヶ月と15ヶ月のSF-36及び治療前と治療後1年のTUG(3m往復歩行に要する時間)を示す。SF-36は治療後4ヶ月で著しく改善した。その後一時悪化したが、2回目の治療後(初回の治療から15ヶ月後)にはまた回復している。TUGは頭痛が再燃した時点でも顕著に改善しており、悪化したとは言っても初回治療の前よりははるかに良かった。図-22に治療前と治療後12ヶ月のかな拾いテストの結果を示すが、処理能力が顕著に速くなった。
- 発症から初診まで
- 2年11ヶ月
- 初診から治療終了まで
- 14ヶ月
- 入院期間
- 2回の入院で合計17日
- 治療費(概算)
- 硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
- 治療の主なリスク・副作用
- 痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
- 備考
- 治療から9ヶ月で、悪天候をきっかけに再燃したが、初回治療の前よりは症状が軽く、2回の治療で完治している。以後一度も来院していない。
- 専門用語
- 該当する用語が登録されていません
- 選択されたタグ
-
- 頸部痛
- 背部痛
- 腰痛
- 歩行障害、ふらつき
- 全身倦怠感(慢性疲労症候群)
- 集中力低下