“原因不明の病”に希望をもたらす硬膜外気体注入療法

“原因不明の病”に希望をもたらす硬膜外気体注入療法

“原因不明の病”に希望をもたらす
硬膜外気体注入療法

著者:高木 清 川原 隆

出版社:株式会社幻冬舎

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硬膜外気体注入療法について、対象となる疾患の症状・メカニズム・治療の流れ・回復事例・患者の声・参考文献・索引までが一冊にまとめられています。
硬膜外気体注入療法についてより詳しく理解できますので、関心のある方は是非ご一読ください。

< 要旨 >
安全性が確保され多くの症状に効果を示す!?研究が進み、80年の時を経てそのメカニズムが見えてきた。脳脊髄液漏出症の研究によって「モンロー・ケリーの法則」が覆った!CTやMRIでも「異常なし」…“原因不明の病”は脳脊髄液の動態不全が原因だった!?新型コロナウイルス感染後遺症にも効果あり!?

< 著者 >
高木 清/川原 隆

■高木 清/タカギ キヨシ
医療法人社団 聖仁会 我孫子聖仁会病院
正常圧水頭症センター センター長
東京大学生産技術研究所 リサーチフェロー
医療法人慈風会 厚地脳神経外科病院 顧問
元葵会柏たなか病院 正常圧水頭症センター センター長
脳神経外科専門医
1978年 東京大学医学部医学科卒業。医学博士。
日本脳神経外科学会、日本正常圧水頭症学会、アメリカ脳神経外科学会、国際水頭症学会に所属。

■川原 隆/カワハラ タカシ
医療法人慈風会 厚地脳神経外科病院
正常圧水頭症センター長
鹿児島大学 医学部
臨床教授 医学博士
1991 年 鹿児島大学医学部卒業。
1995 年 鹿児島大学大学院医学研究科修了。
大学院修了後は鹿児島大学脳神経外科に所属し研鑽を積む。2000年鹿児島大学脳神経外科助手。2014 年鹿児島市立病院医長として、一般脳外科、特に正常圧水頭症、特発性低髄液圧症候群の治療を行い、現在は鹿児島市厚地脳神経外科病院で正常圧水頭症センターを開設し、患者と真摯に向き合い丁寧に診療することに努めている。
他の医師が苦手な分野やつまらないと感じがちなことにこだわる「凡事徹底」が座右の銘。
日本脳神経外科学会(専門医/指導医)、日本脳卒中学会(専門医/指導医)、日本認知症学会(専門医/指導医)、日本脳神経外科認知症学会(評議員)、日本脳脊髄液漏出症学会(評議員)、日本神経内視鏡学会(技術認定医)、日本脳神経外科救急学会、日本心身医学会、日本頭痛学会、日本正常圧水頭症学会、日本生理学会に所属。
認知症サポート医

< 目次 >
はじめに

第1章 むち打ちの後遺症、起立性調節障害、線維筋痛症、慢性疲労症候群、自律神経失調症……
最先端の医療でも発生機序が分からない「原因不明の病」

  • 「認められぬ病」や「論争中の病」に苦しむ現代人
  • 症状が多いのにどこにも異常が見つからない
  • 慢性外傷後頭痛とよく似た症状を訴える原因不明の病
  • 中高生の4人に1人はかかる起立性調節障害
  • 人気歌手も発症した線維筋痛症
  • およそ100万人の患者がいる慢性疲労症候群
  • 病気の共通項は中枢神経?
  • 子宮頸がんワクチン副反応が疑われる症例でも 短期間で回復
  • 新型コロナウイルス感染症の後遺症にも類似点が?

第2章 研究が進み、多くの症状に効果を示すことが判明
80年前から行われていた硬膜外気体注入療法
120年の歴史をもつ硬膜外穿刺

・数百年前の医学文献にも記載がある慢性外傷後頭痛
・蒸気機関車の開発で外傷後の慢性頭痛が増加
・T型フォードの大量生産でも事故が多発
・40年前に廃れた脳の検査法、気脳写は
 慢性外傷後頭痛の特効薬
・1960年代に起こった日本の「交通戦争」
・むち打ち症という概念の登場
・医療の現場で用いられる硬膜外麻酔
・私が「脳脊髄液減少症」の治療をするようになった
 理由
・同時に特発性正常圧水頭症の治療も開始
・「脳脊髄液減少症」という呼び名が生まれた背景
・「脳脊髄液減少症」なのに髄液が減少していない!?
・「脳脊髄液減少症」という病気はない!
・「パッチ」という呼称は不正確
・交通事故後のむち打ち症に再び注目が集まる
・「脳脊髄液減少症」はある、ない!?
 3人の医師が正反対の講演
・横になると頭痛が治まる低髄液圧症
・脳脊髄液漏出症の診断指針
・硬膜外気体注入を試みる
・SF-36による治療効果判定
・診断・治療まで3カ月かかった低髄液圧症の患者
・「脳脊髄液減少症」という病気はないのに
 ホームページに記載する理由
・診察する医師によって病名が変わる
・脳脊髄液腔の案山子モデル
・欧米で広く用いられる軽度外傷性脳損傷
・軽度外傷性脳損傷と慢性外傷後頭痛の違い
・Shell Shock(砲弾ショック、戦争神経症)

第3章 真相が解明されつつある
硬膜外気体注入療法の効果発現メカニズム

・硬膜外気体注入療法はなぜ有効か?
・頭蓋骨や背骨に守られている脳と脊髄
・脳にはないのに脊柱管にはある不思議なすき間
・身体を24時間コントロールする自律神経
・脳神経外科で有名な「モンロー・ケリーの法則」
・モンロー・ケリーの法則が抱える矛盾
・変化は脳以外の場所で起きていた!
・脊柱管のすき間がショックを和らげて脳を守っていた
・脊髄の袋の収縮を検出するDSSS
・頭のMRIだけで異常の有無を判断してはいけない
・200年の歴史を覆す「新・モンロー・ケリーの法則」
・脊柱管内を高気圧にすれば交感神経が穏やかになる
・脊柱管内の圧でお天気病も説明ができる
・プラセボ効果では説明できない硬膜外気体注入療法
・正常圧水頭症の秘密もショックアブソーバーの
 働きに関係が

第4章 硬膜外気体注入療法を適応するための
診断方法と治療の流れ

・硬膜外気体注入療法を行うための診断基準
・治療の対象として重要視している項目と症状
・慢性外傷後頭痛とそれ以外の病気の共通項
・症状は大きく6つに分けられる
・慢性外傷後頭痛(外傷性「脳脊髄液減少症」)の症状
・起立性調節障害の症状
・線維筋痛症の症状
・慢性疲労症候群の症状
・子宮頸がんワクチン副反応の症状
・どれほど不調を訴えても検査では「異常なし」
・診断基準から外傷を外すと
 「論争中の病」のほとんどが該当
・硬膜外気体注入療法を行う前の検査
・実際の治療手順
・最初に腰椎穿刺を実施
・腰椎穿刺の翌日以降に硬膜外気体注入療法
・注入した気体は最後に呼気として排出
・50例の起立性調節障害を治療
・およその治療成績

第5章 不調が改善し、社会復帰を果たす──
事例が示す硬膜外気体注入療法の可能性

・タイプ別22の症例
○慢性外傷後頭痛(症例1~4)
○軽度外傷性脳損傷(症例5・6)
○起立性調節障害(症例7~11)
○線維筋痛症(症例12)
○外傷をきっかけとした線維筋痛症(症例13)
○慢性疲労症候群(症例14・15)
○外傷をきっかけとした慢性疲労症候群(症例16・17)
○子宮頸がんワクチン副反応(症例18~21)
○新型コロナウイルス感染後遺症
 (Long COVID)(症例22)
・患者の生の声
○松下佳代子さん(45歳女性)「脳脊髄液減少症」
 寝たきりから回復しローマ法王の御前で演奏
○高橋亮馬さん(57歳男性)軽度外傷性脳損傷
 軽微な事故で高次脳機能障害に、絵師の廃業まで決意
○Bさん(61歳男性)線維筋痛症
 クモ膜下出血後、毎日場所の変わる痛みに悩まされる
○Cさん(40歳女性)慢性疲労症候群
 「治療を受けると脳がグッと持ち上がるように
 感じるのです」
○Dさん(13歳女性)自律神経失調症(多汗症)
 何年も続いた、紙が破れるほどの汗が改善
○Eさん(15歳男性)自律神経失調症(過敏性腸症候群)
 異常な下痢で寝たきりに、治療後は「重たい荷物を下ろしたよう」
○Fさん(17歳女性)子宮頸がんワクチン副反応
 車椅子にも乗れないほどの身体の痛みから解放

おわりに
参考文献
索引