軽度外傷性脳損傷-2

年齢
40歳
性別
男性
身長
185cm
体重
130.5Kg
治療方法
硬膜外気体注入療法 
主訴
首から右半身の痛み
その他の症状として
頭痛、頸部痛、腰痛(右)、右手の握力低下、めまい、フラツキ、倦怠感
症状を悪化させる要因
天気が悪い(天気痛)、長く立っている(起立性頭痛)
症状を改善させる要因
横になる
現病歴
来院する2年4ヶ月前に交通事故(右からぶつけられた)に遭った。受傷時に意識消失はないが、健忘症があり、mTBI(軽度外傷性脳損傷)と言える。救急車で大学病院に搬入されたが、入院はしなかった。事故の翌日から肩の痛みと立ちくらみがあり、だんだんと悪化した。仕事は1年くらい休んだ。復職したが元通りには働けない。整形外科で頚部脊椎狭窄症と診断され、手術を受けて症状は少し改善したが、右半身の痛み、頭痛、めまい、フラツキ、倦怠感などの症状は改善せず。知人が「脳脊髄液減少症」に対して硬膜外自家血注入療法を受けて改善したと聴き、症状が似ているので来院した。
治療前の状態
意識は清明で麻痺などの明らかな神経学的脱落初見なし。画像上も頸椎の手術痕以外に異常なし。しかし右手の握力は低下していた。
治療経過
入院して腰椎穿刺、髄液圧:215mm水柱(高い)、脳脊髄液圧を 12mL 排除したが、髄液を排除している最中から右手がよく動くようになった。特に中指と薬指が握れなかったが握れるようになった。髄液排除後の頭がスッキリした。腰椎穿刺の翌日にEGI(硬膜外気体注入療法)。症状は顕著に改善。
治療前後の比較
図-7に治療前、治療後1ヶ月のSF-36を示す。痛み、体の動き、活発さの改善が顕著。治療前と1ヶ月後の握力を示すが、右手の握力改善が顕著。めまいやフラツキも消失したが、図-8で重心動揺検査でも改善していることが目で分かる。
事故から初診まで
2年4ヶ月
初診から治療終了まで
1ヶ月
入院期間
9日
治療費(概算)
硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
治療の主なリスク・副作用
痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
備考
1回の入院、1回のEGI(硬膜外気体注入療法)で完治した。
重心動揺検査

直立姿勢での身体の揺れを記録・解析し、身体の平衡(バランス)機能を検査します。健常者の男女・年齢別の基準値に比較して、緑色域の平均値±2SD(標準偏差の2倍)を超える場合、異常と判断しています。

選択されたタグ
  • 脳脊髄液減少症
  • 頸部痛
  • 腰痛
  • めまい
  • 筋力低下(握力低下)
  • 歩行障害、ふらつき
  • 全身倦怠感(慢性疲労症候群)