子宮頸がんワクチン副反応-4
- 年齢
- 15歳
- 性別
- 女性
- 身長
- 163cm
- 体重
- 50Kg
- 治療方法
- 硬膜外気体注入療法
- 主訴
- 歩行困難(立つことも出来ない)
- その他の症状として
- 頭痛 肩こり 頸部痛 背中の正中部の痛み 肩甲骨と肩甲骨の間の痛み 腰痛 めまい 耳鳴り フラツキ 記憶力低下 集中力低下 ボーッとする(Brain Fogging?) 直ぐ疲れる(易疲労感) 手に力が入らない 両足が痙攣する 光過敏 喉の奥に丸いものがある感じがする 動悸 多汗 便秘 食欲不振
- 症状を悪化させる要因
- 立位の保持(起立性頭痛)
- 症状を軽減させる要因
- 横になる
- 現病歴
- HPVワクチンの接種を受けるまではまったく元気で、全国大会に出場できるレベルの水泳選手であった。13歳8ヶ月で、1回目のHPVワクチンの接種を受けた。その後左手が挙がらなくなった。1ヶ月後に2回目のワクチン接種を受けたが、腕が痛かった。ワクチン接種の1年後くらいから水泳の練習がきつくなり、頻回に過呼吸発作を起こし、練習中に気を失った時、医師に診察してもらったが、「精神的なもの」といわれた。その後徐々に悪化し、体がだるくなり、足に力が入らなくなって歩けなくなった。総合病院脳神経内科でギランバレー症候群を疑われたが、髄液検査をしないで否定された。調子が悪くなると一ヶ月も学校を休むことがある。頭痛が横になると改善することから整形外科で「低髄液圧症候群」を疑われて来院した。
- 治療前の状態
- 意識は清明で、四肢麻痺などの明らかな神経学的な脱落所見はないが、著しい禁欲低下があり、立位の保持も出来ない。MRIは頭部、頸椎、腰椎、胸椎で撮影したが、異常なかった。
- 治療経過
- 初診から8年経過した現在も時々(2〜3ヶ月に1度)治療しているが、症状が顕著に改善して水泳の大会で準優勝するまでになった、治療開始から1年4ヶ月までの経過を述べる。 低髄液圧症に似ているので(横になると楽になる)腰椎穿刺を行った。髄液圧は9 cm水柱で正常であった。髄液を10mL排除すると、足の動きが顕著に改善した。腰椎穿刺の翌日と3日後にEGI(硬膜外気体注入療法)を行った。目がしっかり開くようになり、足の背屈、膝立などが出来るようになった。また、多汗症が治った。退院して20日後には装具を着け、介助が必要だったが歩けるようになった。3回目の治療(2ヶ月後)には、装具は必要であったが、介助なしで歩けるようになった。6回目の治療入院の後(6ヶ月後)にはほぼ普通に歩けるようになった。症状は時に悪化することもあったが、水泳の練習が出来るまでになり、18回目の入院加療の後(1年3ヶ月後)に出場した水泳大会では準優勝するまで改善した。その後も時々は悪化するが、就労している。
- 治療前後の比較
- 図-32に治療前と治療後6ヶ月、10ヶ月、8年後のSF-36及び治療前、治療後2ヶ月および1年後の重心動揺検査の結果を示す。SF-36では項目に寄って改善の遅いものもあるが、徐々に改善していく様子が分かる。治療から8年経過した現在では自覚的には日本人の標準よりもほとんどの項目で良くなっている。重心動揺検査では、治療前は立つことも出来ず、検査にならなかったが、2ヶ月後にはフラツキながらも立っていられるようになり、1年後には正常化していた。
- 発症から初診まで
- 1年3ヶ月
- 初診から治療終了まで
- 1年5ヶ月(水泳で準優勝するまで回復した)
- 入院期間
- 18回入院、合計75日
- 治療費
- 硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
- 治療の主なリスク・副作用
- 痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
- 重心動揺検査
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直立姿勢での身体の揺れを記録・解析し、身体の平衡(バランス)機能を検査します。健常者の男女・年齢別の基準値に比較して、緑色域の平均値±2SD(標準偏差の2倍)を超える場合、異常と判断しています。
- 選択されたタグ
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- 頸部痛
- 背部痛
- 腰痛
- めまい
- 耳鳴り
- 光過敏
- 手のしびれまたは痛み、脱力(胸郭出口症候群)
- 歩行障害、ふらつき
- 全身倦怠感(慢性疲労症候群)
- 記銘力障害
- 集中力低下
- 便秘(下痢も含めて、過敏性腸症候群)
- 異常な発汗、ひどい寝汗
- 血圧や脈拍の異常(起立性調節障害)