子宮頸がんワクチン副反応-3

年齢
21歳
性別
女性
身長
160.3cm
体重
38.3Kg
治療方法
硬膜外気体注入療法 
主訴
全身の痛み(線維筋痛症と診断しても間違いではないほどの痛み)、HPVワクチン接種の4ヶ月後から症状がでた。
その他の症状として
身体のムズムズした痛み 肩こり 頸部痛 腰痛 耳鳴り 記憶力低下 集中力低下 睡眠障害 疲れやすい(倦怠感) 体力の低下 身体が重い 足がムズムズする(むずむず脚症候群?) 物が見にくい 光過敏 複視 臭いが分かりにくくなったが、臭いには過敏 動悸 便秘 生理不順
症状を悪化させる要因
天気に左右される(天気痛)、就寝時に特に痛む
症状を軽減させる要因
現病歴
中学生の時OD(起立性調節障害)で、はじめ私立中学に通っていたが、学校に通えなくなって公立中学に変わって卒業した。姉もOD。高校には行けたが4年かけて卒業した。大学にも進学し、1年生の夏までは通学できた。大学1年の夏休み前にHPVワクチンの接種を受けたが、2ヶ月後から身体が重く、ムズムズした痛みが足や腕に出た。2回目の接種を5ヶ月後に受けたが、その後から体中が痛くなった。2回目の接種から1ヶ月後には線維筋痛症を疑われて専門医を受診したが、HANS(子宮頸がんワクチン副反応)と診断された。2回目の接種から半年後には物忘れが激しくなり、漢字が思い出せない。EGI(硬膜外気体注入療法)で症状が軽減した症例があるので治療を勧められて発症から1年6ヶ月で来院。
治療前の状態
意識は清明で、四肢麻痺などの明らかな異常ななかった。MRIは頭部と腰椎で撮影したが、異常はなかった。
治療経過
腰椎穿刺で髄液圧は16 cm水柱と正常で、髄液を10mL排除すると、足のムズムズが消失した。このように、髄液排除でむずむず脚症候群に似た症状が改善した例は他にもあり、むずむず脚症候群と髄液循環の関連を示唆する。腰椎穿刺の2日後と7日後にEGI(硬膜外気体注入療法)を行った。1回目の治療の後よく眠れた。FM(繊維筋痛症)の症状も軽減した。退院後は毎日動けるようになったが、時々悪化するので、初診から1年7ヶ月の間に7回入院して加療した。その後はほぼ正常に日常生活を過ごせるようになっている。
治療前後の比較
図-29に治療前と治療後2ヶ月のSF-36及び治療前と治療後3日目の握力変化を示す。2回目の入院前の2ヶ月でのSF-36による評価で、全ての項目で改善している。握力は3日目には改善しており、むずむず脚の症状もほぼ消失していた。図-30には治療前と治療後1ヶ月半の聴力検査を示すが、全ての周波数帯で改善がみられた。通常聴力の回復は難しいとされているのが、EGIを行った他の例でも改善を示す例を数例経験している。図-31には治療前と治療後6ヶ月におけるかな拾いテストの結果を示すが、処理能力が速くなり、間違いも少なくなっている。集中力の改善を示唆するものと解釈している。実生活でも勉強に集中できるようになった。
発症から初診まで
1年6ヶ月
初診から治療終了まで
1年6ヶ月
入院期間
7回の入院で、入院日数の合計は26日
治療費(概算)
硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
治療の主なリスク・副作用
痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
専門用語
該当する用語が登録されていません
選択されたタグ
  • 頸部痛
  • 腰痛
  • 全身の痛み(繊維筋痛症)
  • 耳鳴り
  • 複視
  • 光過敏
  • 嗅覚障害
  • 全身倦怠感(慢性疲労症候群)
  • 記銘力障害
  • 集中力低下
  • 不眠
  • 便秘(下痢も含めて、過敏性腸症候群)
  • 血圧や脈拍の異常(起立性調節障害)