慢性外傷後頭痛-4

年齢
25歳
性別
女性
身長
166cm
体重
62Kg
治療方法
硬膜外気体注入療法 
主訴
頭痛(起立性)
メモ
著しい脳圧亢進を伴う。
その他の症状として
頸部痛 肩こり 背中の痛み 腰痛 肩甲骨と肩甲骨の間の痛み だるい 疲れやすい(慢性疲労症候群?) 立っていられない 記憶力低下 集中力低下 判断力低下 うつ気分と不安 めまい 耳鳴り フラツキ 匂いが分からない 目がかすむ 視力低下 食欲がない 気持ちが悪い 下痢 動悸
症状を悪化させる要因
天気が悪い(天気痛)、起き上がって3時間くらいして(起立性頭痛)
症状を改善させる要因
横になる
現病歴
来院する4ヶ月前に交通事故(横からぶつけられた)に遭った。受傷時に意識消失はなく、健忘症もなかった。当日は病院に行っていない。夜勤だったが、事故当日から頭痛、頸部痛、腰痛あり。翌日整形外科で頚椎捻挫と言われた。事故以来頭痛、頸部痛、めまいなどがあり、低気圧で悪化した。他院で外傷性低髄液圧症候群を疑われて来院。
治療前の状態
意識は清明で麻痺などの明らかな神経学的脱落初見なし。画像上も異常なし。
治療経過
入院して腰椎穿刺、髄液圧:225mm水柱(高い)、脳脊髄液圧を 30mL 排除すると、背中の痛みが消え、目が良く見えるようになった。腰椎穿刺の4日目、7日目の2回EGI(硬膜外気体注入療法)を行った。症状は顕著に改善。
治療前後の比較
図-5に治療前、治療後6ヶ月のSF-36を示す。経過中の髄液圧も示すが、これは測定の誤りではない。症状が低髄液圧症なのに頭蓋内圧は著しく高く、目の霞をよく訴えたが頭蓋内圧が正常化した治療開始1年半後からは訴えなくなり、治療は終了。
事故から初診まで
4ヶ月
初診から治療終了まで
2年
入院期間
11回入院し、合計68日
治療費(概算)
硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
治療の主なリスク・副作用
痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
外傷後の頭蓋内圧亢進
このように、症状は低髄液圧症に似ていても脳脊髄液圧が著しく高い例が少なくない。髄液圧が高くてもEGI(硬膜外気体注入療法)は有効である。腰椎穿刺は必須の検査と考えている。
選択されたタグ
  • 脳脊髄液減少症
  • 背部痛
  • 腰痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 目のかすみ
  • 視力低下
  • 嗅覚障害
  • 歩行障害、ふらつき
  • 全身倦怠感(慢性疲労症候群)
  • 記銘力障害
  • 集中力低下
  • 気分の落ち込み(うつ)
  • 下痢
  • 便秘(下痢も含めて、過敏性腸症候群)
  • 血圧や脈拍の異常(起立性調節障害)