外傷を契機とした線維筋痛症-1
- 年齢
- 46歳
- 性別
- 男性
- 身長
- 171.3cm
- 体重
- 60Kg
- 治療方法
- 硬膜外気体注入療法
- メモ
- CPTH(慢性外傷後頭痛)、 FM(繊維筋痛症)
- 主訴
- 全身の激しい痛み(外傷をきっかけとしたFM)
- その他の症状として
- 背中の痛み 全身の関節痛 頭痛 頸部痛 寝起きの時の上半身の痛み 脇腹の痛み 肩こり 寝つきが悪い めまい 意識がなくなって倒れる フラツキ 難聴 聴覚過敏(時々) 耳鳴り 視力低下 光過敏 複視 焦点が合わない 記憶力低下 集中力低下 動悸 下痢 食欲不振 歩行障害(バランスよく歩けない)
- 症状を悪化させる要因
- 天気が悪いと悪化する(天気痛)
- 症状を軽減させる要因
- 何かに集中すれば軽減している
- 現病歴
- 19歳と40歳で交通事故に遭っているが、40歳の外国での交通事故(バイクに乗っていて対向車と正面衝突)以来上記の症状が続いている。事故で手指を切断した。約1週間入院したが、全身が痛かった。帰国後に抜糸したが、痛みが酷いので全身麻酔でおこなった。痛みで気を失うこともあった。整体に通っていたら「脳脊髄液減少症」ではないかと言われ、ネットで調べて来院。
- 治療前の状態
- 意識は清明で麻痺はなく、画像検査でも異常はなかった。しかし歩行は著しく不安定であった。
- 治療経過
- 腰椎穿刺で髄液圧は50mm水柱と低かったが、脳脊髄液圧を30mL排除しても特に症状の悪化は認められなかった。腰椎穿刺の4日後にEGI(硬膜外気体注入療法)を行った。EGIの翌日から正常に歩けるようになった。痛みも顕著に軽減した。
- 治療前後の比較
- 図-11に治療前と治療後1ヶ月のSF-36を示すが、一度の治療でほぼ正常に復した。また、重心動揺検査でも治療によりフラツキが改善していることが目で見てわかる。図-12には治療前と治療後3ヶ月の、TUG(3m往復歩行に要する時間)と頸部可動域を示す。頸部可動域の数字右横のpはpainつまり痛みでそれ以上動かせないという意味。
- 事故から初診まで
- 6年
- 初診から治療終了まで
- 1ヶ月
- 入院期間
- 12日
- 治療費(概算)
- 硬膜外気体注入療法:30,000円 入院(1泊2日目安):100,000円 ※保険適用外
- 治療の主なリスク・副作用
- 痛み、出血、感染、空気塞栓、麻酔、偶発的合併症
- 備考
- その後も治療から4年後に追突事故に遭うまでは治療せずに正常に生活できていた。治療から4年後の事故の後、症状は再燃したが、以前ほど酷くはなかった。事故から3週間後に治療して再び元気で暮らしている。
- 重心動揺検査
-
直立姿勢での身体の揺れを記録・解析し、身体の平衡(バランス)機能を検査します。健常者の男女・年齢別の基準値に比較して、緑色域の平均値±2SD(標準偏差の2倍)を超える場合、異常と判断しています。
- 選択されたタグ
-
- 頸部痛
- 背部痛
- めまい
- 耳鳴り
- 聴覚過敏
- 目の焦点が合わない
- 視力低下
- 複視
- 光過敏
- 歩行障害、ふらつき
- 記銘力障害
- 集中力低下
- 不眠
- 下痢
- 便秘(下痢も含めて、過敏性腸症候群)
- 血圧や脈拍の異常(起立性調節障害)